長年愛用しようと購入した万年筆がインク漏れを起こしてお困りではないでしょうか?
もしくは購入を考えたことがあるが、インク漏れを恐れて見送った方もいるかもしれません。
万年筆は丁寧なメンテナンスを行うことで一生の相棒となりますが、とてもデリケートなためインク漏れを起こすことは多いです。
そこで今回は万年筆のインク漏れの原因から防ぎ方、そして修理方法まで大紹介します。
記事を読み終わった後には、万年筆をトラブルなく使用することができるようになるはずです。
目次
インク漏れが起きたときに確認すべきこと
インク漏れが起きた時にまず確認すべきことは、インクが漏れている場所を解明するということです。
一番初めに確認するべきパーツはインクタンクです。
インクタンクにインクを満タンに入れて、漏れが起きているのかどうか確認しましょう。
もしインクタンクに問題がなければ、ペン先と胴部分の接続に問題があるのかもしれません。
正しく接続されている、もしくは緩まっていないか確認してみてください。
この緩みがインク漏れの原因になっているというケースは大変多いです。
万年筆のインク漏れの原因
万年筆のインク漏れの原因は様々です。
原因を知ることによって、自分でメンテナンスを行うことができるかもしれません。
もし修理を依頼する場合も原因追及に時間がかかり、修理が遅れるということもあります。
ここからは修理時間を短くするためにも、最も一般的なインク漏れの原因を紹介します。
構造上の問題
インク漏れの原因にパーツの破損が考えられます。
長年使用することができると言われている万年筆ですが、使うたびに消耗をしているのも事実。
もしパーツの破損が原因ならば、自分で修理することは不可能なので、速やかにプロに修理の依頼を出しましょう。
胴軸にひびが入ってる
万年筆がインク漏れを行っているとき、一番最初に見るべきパーツはペンを握る胴軸です。
ペンの内部構造にもよりますが、もし胴軸にひびが入っていると、そこからインクが漏れている可能性が高いです。
インクカートリッジの破損
もしかするとインクを含んでいるインクカートリッジ、もしくはインクコンバーターが破損している可能性があります。
内部に付いているインクカートリッジをチェックしましょう。
ペン先と首軸の緩み
ペン先と首軸が緩みがインク漏れを起こしている可能性があります。
一度ペン先と首軸を外して、再度しっかりと締めなおしましょう。
空気漏れ
インクが過剰なまでに出る原因、もしくはインク漏れが起こる原因に空気漏れが考えられます。
インクカートリッジ、もしくはインクコンバーターがペン先に対してしっかりと締められていないと空気漏れが起こります。
一度万年筆を分解してから、もう一度しっかりと締めましょう。
環境の問題
万年筆は非常にデリケートな性格です。
そのため温度差や気圧の変化までもが万年筆に影響を与えます。
インク漏れを起こす主な環境の原因は以下の通り。
温度
万年筆をポケットの中に入れて座っていたり、ジャケットの内ポケットに入れていたりすると万年筆は温められペン先からインク漏れが起こる可能性があります。
万年筆の内側が温まるとインクカートリッジ内の空気が膨張し、インク漏れを起こすのです。
飛行機内でのインク漏れ
空の旅に万年筆を持っていくときは注意が必要です。
飛行機に乗っていると大気や気圧が大きく変化します。
この変化がペン先からのインク漏れを起こす原因となるのです。
これを防ぐためには、飛行機に乗る前に万年筆のインクタンクを空っぽにする、もしくはインクを満タンに詰めておく必要があります。
インクを満タンに詰めておくということは、必然的に万年筆内の空気量が減るということであり、インク漏れのリスクを大幅に下げます。
キャップの閉め忘れ
どんなに良い万年筆でも、適切にキャップを閉められずに使用されないままでいると、ペン先からにじみ出るインクが完全に乾いてしまします。
万年筆に使われるインクのほとんどは乾きやすいという性質を持っています。
そして乾いたインクはキャップに溜まった空気と混じると再び液体に戻るという性質があるのです。
つまり万年筆にキャップをした時に乾いたインクが液体となり、インク漏れが起こります。
これは万年筆を持ち始めたばかりの人に起こりやすく、インク漏れと勘違いされやすいです。
幸いなことにも、これは修理が必要なインク漏れではないので安心してください。
インク漏れを防ぐためにはクリーニングが大切
万年筆のインク漏れは定期的な掃除を行うことで防ぐことが可能です。
万年筆の構造は複雑でペン芯が毛細管現象を行うことによってインクがペン先に送られます。
何度も万年筆を使っていると、ペン芯部分に埃や繊維、乾いたインク等がたまり、そのままにしておくと万年筆本来の機能が損なわれるだけではなく、インク漏れの原因となります。
それを防ぐためにも定期的なメンテナンスが必要です。
万年筆の掃除の頻度
万年筆の掃除の頻度は4~8週間ごとに1回が目安です。
またインクを変えるたびにも掃除をしなければいけません。
万年筆の掃除の仕方
ここからは万年筆の基本の洗い方を5つのステップに分けて紹介します。
1.万年筆を分解する
まずはキャップを外して、ペン先部分を胴から取り外します。
これは万年筆を緩めるだけなので、簡単に行えるはずです。
もし万年筆にカートリッジ、もしくはコンバーターが使用されていたら、それもペン先から取り外します。
掃除の後にインクを再び使えるようにカートリッジやコンバーターの入口部分をテープで止めましょう。
この1手間によって掃除中にインクが渇くことなく、後から再びインクを使用することができます。
2.ゆすぐ
ペン先を流れている水道水の下に数秒間置いて洗います。
これでインクや汚れを簡単に落とすことができます。
万年筆を洗うときには、冷たい水、もしくは室温程度の水を使用します。
お湯を使用すると万年筆が痛むことがあります。
3.浸す
コップの中にお水を入れたら、そこにペン先を浸します。
1時間程度浸しても、水がきれいなままの状態になるまで繰り返します。
コップに入れる水は水道水でも問題はないと思いますが、蒸留水を使用すると確実に安心です。
4.乾かす
コップからペン先を取り出し、自然乾燥させます。
コップの中に柔らかい布やペーパータオルを敷いて、ペン先を下にして立たせるのがおすすめです。
乾かす時間は12~24時間程度。
完全に乾くまで根気強く待つ必要があります。
5.組み立てる
ペン先が完全に乾いたら万年筆を再び組みなおすだけです。
その際には、ペン先と胴部分をしっかりと接続させましょう。
基本的にはこの5つのステップで、インク漏れの原因となる汚れを落とすことが可能です。
定期的に掃除をしているにも関わらず、インク漏れが起きた場合はパーツの破損の可能性を考えましょう。
インク漏れが手に負えない時は修理を頼もう
万年筆のパーツが破損していたり、擦り減ったりしていてインク漏れが起きているときはプロに修理を頼むのがベストです。
長年使用可能な万年筆も破損をする時はあります。
自分で原因が究明できない時、パーツの破損が原因の時は速やかに修理を依頼しましょう。
万年筆の修理の相場はメーカーや傷の箇所・大きさなどによって変わってきますが、基本的には3000円~5000円程度です。
気になる修正期間もまた一概には言えませんが、基本的には2週間以内に手元に戻ってきます。
万年筆を郵送や宅配で修理に出すときは、ペンが配達中の振動で傷つかないように厳重に包装しましょう。
まとめ
どんなに優れた万年筆でも故障することはあります。
部品の破損は防ぎようはありませんが、汚れが原因の故障は日々のメンテナンスで防ぐことが可能ですよね。
一生の相棒となる万年筆は定期的にクリーニングしましょう。
クリーニングを行うたびに、愛着が出てくること間違いありません。
今回で万年筆がインク漏れを起こしても、安心して対処できますよね。
楽しい万年筆ライフを送ってください。